更年期になると太りやすくなる本当の理由

「若い頃と食べる量はそれほど変わっていないのに、なぜか太るようになった」
「体重はそれほど増えていないのに、お腹まわりが気になる」

40代後半から50代の女性から、このようなお話をよく伺います。

若い頃の体重に戻そうとして、50代からあらためてダイエットに挑戦したけど、
うまく行かなかったという方もよく来られます。

近年の研究から『更年期には身体の中で大きな変化が起こる』ことがわかってきました。

更年期で特徴的な目眩や、火照りや、脱力感、イライラなどの症状が無い方でも、
実は「筋肉や脂肪のつきかた」には大きな影響を与えていることがあります。


目次

更年期の大きな変化「エストロゲンの減少」

女性の心とカラダに大きな影響を与えているホルモンの一つが「エストロゲン」です。

エストロゲンと聞くと、妊娠や月経にかかわる女性ホルモンというイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、
・骨の代謝
・筋肉
・脂質代謝
・糖代謝
・血管
・脂肪の蓄積場所
など、カラダにさまざまな影響を与えています。

閉経前後になると、このエストロゲンの分泌量が大きく低下します。
若い頃とは「脂肪のつき方」や「筋肉を維持する能力」が変わってきます。

これが、更年期の体型変化を考えるうえで非常に重要なポイントです。

研究で分かった「更年期の3.5年間」の身体の変化

アメリカで行われている大規模研究「SWAN(全国女性健康研究)」では、閉経を挟む3.5年間の「更年期移行期」にの女性の体重や脂肪と筋肉の割合がどのように変化するかを長期間にわたって追跡しています。

脂肪量の急増

閉経の約2年前から脂肪が増えるペースが約2倍に跳ね上がります。この3.5年間の更年期移行期全体で、体脂肪率は平均3%程度増加したことが報告されています。

例えば体脂肪率30%の方なら33%になるということです。
体重60Kgの方でしたら、18Kgの体脂肪が19.8kgに増えるわけで、約2kgの体脂肪が増加することになります。
2kgのお米の袋を想像してみてください。かなりの量ですよね。

除脂肪量(≓筋肉量)の急増

脂肪が増える一方で、除脂肪量(筋肉を含む脂肪を除いた数値)は、
閉経の約2年前から減少に転じ、更年期移行期全体で、平均約0.5~1%減少します。

「体重がそれほど増えていないのに、体型が大きく変わってきた」
と感じる理由はこの、脂肪量の増加と筋肉量の減少にあります。

「お腹まわり」に脂肪がつきやすくなる理由

さらに更年期では、脂肪の「量」だけでなく「つく場所」も変化します。

閉経前の女性は、比較的お尻や太ももなど下半身(皮下脂肪)につきやすい傾向があります。

ところがエストロゲンが低下すると、男性と同じように脂肪が腹部(内臓脂肪)に蓄積しやすくなります。

筋肉量の減少によって代謝が落ちることも、腹部に脂肪がつくことを促進します。

またエストロゲンは、食欲を抑えるレプチンというホルモンの働きを助けています。
エストロゲンの減少によって満腹感を感じにくくなり、以前よりも食べ過ぎてしまうリスクがあります。

さらに更年期に起こる自律神経の乱れは、ストレスホルモンであるコルチゾールを増加させます。
このホルモンには脂肪をお腹にため込む性質があります。

そのため50代からの体重管理では、「何kgあるか」だけではなく、お腹まわりや体脂肪率、筋肉量にも目を向けることが大切なのです。

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『食事量』を制限するダイエットの危険性


更年期の体型変化を懸念して、多くの方が行うのが「食べる量を減らす」ダイエットです。
もちろん、体脂肪を減らすには食事管理も大切です。

しかし50代以降で特に気をつけたいのが、「体重と一緒に筋肉まで落としてしまうこと」です。

食事だけで体重を落とそうとすると、脂肪だけでなく筋肉も失われる可能性があります。
筋肉が減れば、

筋力が落ちる
 ↓
身体を動かすのが億劫になる
 ↓
活動量が減る
 ↓
消費エネルギーが減る

という悪循環につながることがあります。

50代からのダイエットでは、「何kg痩せたか」だけではなく、
「筋肉をできるだけ維持しながら脂肪を減らせたか」を見ることがとても大切です。

当スタジオのパーソナルトレーナーは、『食事を減らしましょう』ではなく、
『食事の内容を見直しましょう』と提案しています。

見直しのポイントは、『少しずつ好きな食べ物を変えていく』ことにあります。
これは別の記事に譲りましょう。

更年期は『筋力トレーニング』が重要になる

そこで重要になるのが筋力トレーニングです。
筋トレの目的は、筋肉をムキムキにすることではありません。

50代以降では、「これから失われやすくなる筋肉を守る」
という意味が非常に大きくなります。

世界保健機関(WHO)も、成人に対して週150~300分の中強度有酸素運動に加えて、主要な筋肉を使った筋力トレーニングを週2日以上行うことを推奨しています。

ウォーキングは素晴らしい運動ですが、「歩くこと」と「筋肉に十分な負荷をかけること」は役割が違います。50代からは、この二つを上手に組み合わせたいところです。

「体重」より「身体の中身」を変える

私たちは、50代からの身体づくりでは、体重だけにこだわりすぎる必要はないと考えています。
例えば、
Aさん 体重55kg・体脂肪率35%
Bさん 体重55kg・体脂肪率25%
では、同じ55kgでも身体の中身はまったく違います。

筋肉が増え、体脂肪が減れば、
「体重は変わっていないのに、ウエストが細くなった」
「疲れを感じなくなった」
「階段が楽になった、歩くスピードが速くなった」
という変化が現れてきます。これらは当スタジオのお客様の実際の声です。

体重計の数字だけを追いかけるのではなく、
筋肉を守りながら、余分な脂肪を減らす。
これが50代以降のカラダづくりの大きなポイントです。

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筋トレ+ピラティスという考え方

バディ・トレーニング・スタジオでは、筋力トレーニングだけでなく、ピラティスもカラダづくりに取り入れている方が多いです。

更年期以降は体型だけでなく、姿勢や柔軟性、バランス能力にも変化が現れてきます。
ピラティスは、特に姿勢や柔軟性、バランス能力の向上に適した運動です。

筋トレで自分の弱点や、課題を克服し、ピラティスでさらにカラダ全体のバランスにつなげていくイメージです。どちらを先に取り組んでも効果がありますので、自分に合った方から順番に試してみてはいかがでしょうか。

「痩せる」ことだけを目的にするのではなく、10年後も自分の脚で歩き、旅行や趣味を楽しめる身体をつくる。

50代は、その準備を始めるのにとても大切な年代だと私たちは考えています。

まとめ ~更年期は「太る時期」ではなく「身体を見直す時期」

更年期になると、「女性ホルモンが減ったから太る」
という一言で説明されることもあります。

しかしご説明してきたように、実際にはもっと複雑です。

・加齢による活動量やエネルギー消費の変化
・エストロゲン低下に伴う体脂肪の増加
・筋肉を含む除脂肪量の減少
・そして、脂肪がお腹まわりにつきやすくなる体脂肪分布の変化

これらが重なって、50代女性の身体は少しずつ変化していきます。

ここで一番お伝えしたいのは、
「更年期だから太るのは仕方がない」と思わないで欲しいということ。

身体が変わるなら、運動や食事の習慣も身体に合わせて変えていきましょう。
50代は「痩せにくくなった年代」ではなく、

これからの20年、30年を元気に過ごすために、自分の身体ともう一度向き合う年代。
そう考えると、更年期は身体づくりを始める、とても良いタイミングなのかもしれません。

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